第5章 クリスマスデート
そっぽを向いて嬉しさを悟られないようにする。
「素直じゃないっスねえ、正直に嬉しいって言えばいいっスのに…行くっスよ?椿っち」
「あ…////ちょっ!」
強引に腕を絡めてきた。腕と腕が密着してその部分だけ妙に暖かかった。
「馴れないブーツ履いてるから歩くの大変っスよね?」
「え?」
(気づいてた…?)
「歩くのが少し慎重だったっスからね」
「良く見てるんだな…///」
黄瀬はいつもヘラヘラしてると思っていたが、しっかり自分の事を見ていてくれた。それが何より嬉しかった。
「椿っちの事っスからね」
「…なあ、黄瀬」
「なんスか?」
「全力で俺のサポートしてくれよ?」
俺はそう言って握っていた黄瀬の手を更に強く握った。
「わかってるっスよ」
黄瀬も微笑みながら、優しく俺をサポートしてくれた。