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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第3章 バンドコンテスト


頭でも打ったのかと思い、黄瀬の頭を撫でてみた。

「なんスか!?椿っち!」

「いや…大丈夫かなーと、頭」

「いやいや、大丈夫っスよ!!むしろ冴えてるっス!」

そうか…マジなのか…マジで?一気に顔が火を噴くが如く熱くなる。黄瀬は顔を近付けて来て言った。

「…これ、マジなんスよ」

「…本当にか…?////」

「信じないなら、ここで誓いのキスしてもいいんスよ?」

「いやいやっ!!」

首を振っても黄瀬は接近をやめない。もう鼻先がくっついてしまいそうな程になった途端。

ガラガラ

「あ…」

「あ゛」

教室に想定外の人物が入ってきた。

「緑間…」

「…何しているのだよ、こんな所で」

緑間はいかにもっと言った感じで不機嫌そうに眉毛を眉間に寄せて眼鏡のブリッチを上げた。

「緑間っちこそ」

緑間の質問に答えたのは黄瀬だった。邪魔されたのが嫌だったのか、こっちもこっちで不機嫌だ。

「財布を取りにきただけなのだよ…あまり氷童の嫌がる事をすると引かれるぞ?黄瀬」

「緑間っちは関係ないっスよ」

「ふんっ」

緑間は財布を手にして教室を出て行った。だが、何故だ?なんで緑間が俺の心配をしてんだ?

「椿っち…」

「な、なんだ?」

黄瀬は顔を伏せてポツリと呟くように俺の名前を呼んだ。

「嫌だったら、嫌って言っていいんスよ?」

「?なにがだ?」

「キスとか…」

「…嫌だったら言ってる////」

俺はそっぽを向いて答えた。

「じゃあ、嫌いじゃないんスね?」

「…あぁ///」
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