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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第3章 バンドコンテスト


「おいっ!何処に行くんだっ」

「二人っきりになれるところっスよ!」

「はあ!?///」

手を引かれながら後ろを振り返れば、行ってこいと言う合図…なんだろう、バイバイと手を振っていた。

「結果は俺らが見ておくからよ!」

「ごゆっくり」

「わ、悪い!」

黄瀬に手を引かれ、数分…着いたのは自分達の教室。バンドコンテストに出ていたり、見る人が多いからか、教室には誰も居なかった。てか、なんで連れてこられたんだ?

「黄瀬…?」

「上手かったっスよ、椿の歌」

「そ、そうか?ありがとう」

静寂が生まれた。な…なんだ、この気まずい空気…黄瀬もただ、俺を見つめて黙りこくっている。何故か目が離せない。離したら、その一瞬で襲われそうな気がしたからだ。

「…椿っち、俺、思ったんスけど…」

「なんだ?」

いきなり、顔を上げて、まだ握っていた手を強く握った。

「…本気で椿っちと…結婚したいっス」

「…は?今、なんて…?」

え?今、結婚って言った?まさかでしょ?そんな先まで考えてねーよっ!!
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