第1章 転校生は美少年?
「…恥ずかしい…んだが」
口元を手で隠してそっぽを向く。その向いた先には黄瀬の顔があった。黄瀬もニヤリと笑っていた。なんかムカつく。
「そんなに照れないでよーご飯冷めちゃうから食べよ!」
「そうだな」
「そうですね」
赤司と黒子が頷き、皆、それぞれのお弁当を開けて箸を取り、食べ始める。いつまでも照れていても仕方ないので俺も箸を取り、口に運んで食べる。
「ねえ、氷童ちんはさ、何処の部活に入るの?」
「まだ、決まっていないが?」
「じゃあ!バスケ部のマネージャーは?楽しいよ」
「バスケ部のマネージャー?俺が?」
「うん、あんまり、人数がいなくて大変なんだよね?」
桃井にバスケ部のマネージャーに誘われ、暫し悩む。学校が終わった後は特に何もないが…
「…余計に注目を浴びる事になりかねないな…」
「そんなのどーでもいいだろ?」
「はあ!?俺はどーでも良くないんだ!!前の学校じゃあ、しょっちゅう告白やら手紙やらが凄いんだ!」
「それは大変そうですね?」
「だろ?!」
黒子が少し困ったように頷いた。俺は同情してくれた黒子を尊敬するような眼差しでみる。
「そっかーそれじゃあ…選手としては?」
「マネージャーより目立っちゃうよ!!」
「あれ?そうなの?」
桃井は口にご飯を運びながら、可愛く首を傾げた。その他の奴は黙々と食事をしていた。
「たまにくるだけでいいからー!」
「……わかった、たまにだからな?」
「本当っ!?ありがとうー」
桃井の押しに負け、渋々頷く俺。なんでかなー…