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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第1章 転校生は美少年?


「おせーよ、黄瀬!腹減って死にそうだー」

「遅刻は免れたようだな、黄瀬」

屋上で黄瀬を待っていたのは個性豊かな人達ばかりだった。青い髪や赤い髪、ピンクに緑、紫、水色。この帝光中はこんなにも校則ユルかったっけなーと改めて思う。

「それより、黄瀬、誰なのだよ?そいつは」

無理矢理、黄瀬の隣に座らされた俺にメガネのブリッジをテーピングでぐるぐる巻きにした指で押し上げる緑髪の彼。…語尾になのだよとか…笑いを必死に抑えて自己紹介をしようとしたら…

「俺のクラスに転校してきた氷童椿っスよ」

「…どうも」

軽く会釈をして皆の顔を改めてみる。みんな、バスケが好きそうな顔をしている。若干、数名はそうでもなさそうな顔をしているが…

「じゃあ、私達も自己紹介しなくちゃだね!私、バスケ部のマネージャーの桃井さつきです!」

「バスケ部でレギュラーの黒子テツヤです、宜しくお願いします」

「バスケ部、レギュラーの青峰大輝だ」

「キセキの世代、ナンバーワンシューター緑間真太郎なのだよ」

自分でナンバーワンとか言っちゃうんだ…前の奴はめちゃくちゃ自己紹介短いし…

「バスケ部主将を努める、赤司征十郎だ」

こいつかー!!恐ろしくハサミを振り回す奴!今もすでに誰の髪を切りそうな予感バリバリしますよ!!

「バスケ部の紫原敦だよ~」

「それで俺がー」

「お前はいい」

黄瀬がやたら元気良く近づいてくるので追い返し、改めてまた会釈をする。

「なんか、黄瀬に無理矢理連れてこられたんだが…」

「大丈夫だよ!全然OK!いっぱいいたほうが楽しいもん!」

「僕もそう思います」

マネージャーの桃井と律儀に敬語を使う黒子。こいつらはこの中で唯一、まともで友人になれそうな人達だな。そう確信を持ち、少しの微笑を浮かべる。

「なーんだ、氷童ちん、笑えば可愛いじゃん!」

「なっ!か…可愛くない!俺の何処が!////」

「照れたところとか☆」

ガックリと項垂れる。まさか、よりによって可愛いなどと言われるとは…まあ、可愛いと言われるのは女の子としては非常に嬉しい事で俺も例外ではない。だが、いざ言われると…
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