第3章 バンドコンテスト
塚田達は早速、それぞれの楽器を準備を行う。ふーん、塚田がエレキギターで佐藤がベースギター、隅田がドラム、篠原がピアノ。
「じゃあ、行くよ!」
ドラムの隅田がリズムをとる。歌い出しは…
"僕がずっと前から思っている事を話そうか、友達に戻れたらそれ以上はもう望まないさ、嘘つきの僕が吐いた反対言葉の愛の歌"
お腹から仕切りに声を出し、空気を思いっきり吸い込む。リズムが速い所があったり、遅かったり、複雑になる曲だ。
"この両手から零れそうなほど君に渡す愛を誰に譲ろう?そんなん何処にもあてがあるわけないだろ、まだ待つよ もういいかい"
曲が終わり、伴奏も終了した。しばらく、シーンと音楽室に静寂が満ちる。この静寂を破ったのは4人の拍手だった。
パチパチ
「え?」
「俺より上手いんじゃないか?これなら優勝も出来る!」
塚田が嬉しそうに拍手をする。
「綺麗な歌声だったよ~黄瀬には聞かせたくないねえ」
「当日は絶対、聞きにくるだろ?黄瀬は」
皆、俺の歌声に満足そうに頷いてくれた。良かった…正直、不合格だったらどうしようかと。
「その歌声なら問題なし!早速、曲決め行くか!」
「「おう!」」
皆して机に向かって一つの机に5脚椅子を寄せて思い思いにいい曲を出していく。
「何がいい?アニソン?J-POP?」
「アニソンはやりずらいよ、特にドラム」
「歌う曲、限られるしな…かと言ってJ-POPもな…」
なかなか意見が一致しない…こりゃあ、曲決めに時間が掛かりそうだ。