第3章 バンドコンテスト
《椿side》
黄瀬が音楽室を出て行った後、俺はバンドメンバーとどんな曲にするか、どんな曲なら優勝を目指せるか話合った。
「やっぱり、盛り上がる曲だよね?」
と、隅田。
「それもあるが、皆が知ってる曲じゃなきゃだろ?」
と、篠原。
「それは無理に決まってんだろっ」
と、佐藤。
なかなか、意見がまとまらない…
「なあ…やっぱり、ここは歌が上手くちゃだろ?」
と、塚田。まあ、そうだろうな?って…俺か!
「て事は俺の歌声次第って事か?」
「そうだな」
「椿ちゃんの歌声、聞いてみたい!」
「それが一番だな」
皆、俺を見て期待の眼差しを向けてくる。あ…そんなで見んなよ…長年、歌なんて歌ってないから上手く歌えるか…
「なんの歌なら歌える?」
塚田に質問され、暫し考える。
「まあ、なんでも」
「じゃあ、ここの一覧から選んで」
差し出されたのは一枚のコピー用紙。それにはズラリと色んな曲が所狭しと並んで書かれていた。これだけ、演奏出来るのか…見れば、ざっと50曲以上はある。
「んーあ、この"天ノ弱"なら今でも歌える」
「へえ~意外なセレクションだな」
篠原が意外そうに目を見開く。(なお、曲のセレクションは作者の好みや趣味です。By.作者)
「よし、じゃあ、早速やりますか!」