第3章 バンドコンテスト
「えーなんか仲悪いとか思われるじゃん!」
隅田が不満そうに唇を尖らせる。まあ、確かにな…ここは一つ、一肌脱ぎますか?!
「…黄瀬」
「なんスか?…うわおっ!?////」
俺はかなりの勇気を振り絞り、黄瀬に抱き付いた。絶対、この部活が終わったら、なんかされるな…もうちょっと頑張れっ!俺!バンドメンバーの為だ!
「ハイタッチとか…円陣くらいいいだろ?別に減るもんじゃねーし…ダメか?////」
精一杯の可愛い上目遣いを使い、黄瀬を説得する。めちゃくちゃ、恥ずかしいんだけど!!すると黄瀬は…
「…椿っちが言うんなら…許可するっスよ///」
(随分、上から目線だな…おい)
でも、これでハイタッチや円陣もOKになった。黄瀬に気付かれないようにバンドメンバーに親指を立てる。バンドメンバーもこくりと頷き、親指を立て合う。
「じゃあ、俺!部活あるっスから、椿っち!必ず迎えにくるっスから、勝手に帰んないでくれっスよ!?」
「あぁ、わかった」
音楽室を名残惜しそうに出て行った黄瀬。
「氷童、黄瀬の扱い慣れてんなー」
「いや…さっきのやるのはかなり勇気がいた…」
佐藤に感心され、嬉しくもあったが、もうやりたくない…
「まあ、氷童が頑張ってくれたんだ、優勝目指すぞ?」
塚田が皆をそれから俺を見てニカッと笑った。
「「おぉっ!!!」」