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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第3章 バンドコンテスト


「隅田!あんまり、積極的になるな!引いてるぞ」

隅田と呼ばれた小柄な男子生徒は頬を膨らませて言い返した。

「彼女いない歴17年舐めんなー!!」

「いや…舐めてねーよ」

(いや…むしろその可愛い顔で彼女が出来ないのが不思議だ…)

それに毎日、積極的にくる奴がいるもんだからあまりこうゆうのでは引くことはない…引かない方がおかしいのか?

「隅田…とか言ったか?なんで彼女が出来ないんだ?そんな…可愛い顔してんのに…」

「なになに?俺に興味あるの?」

「とくには」

「ストレートに言うね~椿ちゃん」

ガックリと肩を落とした隅田。

「隅田の奴はモテないわけじゃねーんだ、こいつの趣味がわりーんだよ」

「趣味?」

「あー!人の趣味、バカにすんの反対!」

「こいつ、拳銃マニアなんだよ」

(彼女いない歴17年の理由はこれかー!!!)

「まあ、人の趣味を否定しないが…」

「椿ちゃんは優しいねえ~」

ぎゅうと抱き締めてくる隅田。あの…これでも彼氏がいる俺はどうすれば…

ガラガラ

「椿っちー!脚速いっスよー!塚田には絡まれるしーって…」

黄瀬は音楽室に入ってきて一番に俺を見てから抱き付いている隅田を見る。隅田の背丈の関係もあってかちょうど胸当たりに顔がきているんですけど…

「…隅田、なんで椿っちにくっついてるんスか?」

黄瀬の顔がこえー…俺は大人しくされるがままにされていた。動いたら、殺されそうな目、してんだもん!!

「んー?椿ちゃんが綺麗だから」

隅田も命知らずかー!!!黄瀬は隅田の首根っこを掴んで俺から引き剥がす。あー…隅田が猫のようだ。黄瀬は俺を起こして後ろから抱き付いてくる。

「黄瀬だって椿ちゃんに抱き付いてるじゃんかー!」

「俺は椿っちの彼氏だからいいんスよ」

「「えぇええー!?」」

その場にいた(後からきた塚田は別)3人は驚愕のあまり、大声を上げていた。てか知らなかったのか…

「意外だな…黄瀬に彼女がいたなんて」

「てか、〇〇っちって付けてる時点でそうだろ?」

「えーズルいよー!!」
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