第3章 バンドコンテスト
「んー!!終わった!」
「椿っち、俺の知り合いのバンドメンバー紹介するっスよ」
「んーわかった」
鞄はそのままにして席を立つ。
「氷童さん、バンドコンテスト出るの?」
「ん?まあな」
近くのクラスの女子が少し遠慮がちに聞いてきたので答えた。
「え?氷童さん、出るの!?」
「じゃあ、絶対見に行かなくちゃね!」
「氷童さん、頑張ってね?」
「あ、あぁ…ありがとう…//」
応援されて少し照れくさくなり、うつむき加減にお礼を言って、すぐ黄瀬に続いて教室を出た。
「今の見た?氷童さんが照れてたわ!」
「可愛いっ!!」
前を歩く黄瀬の背中を見て少し違和感を感じた。
(?…黄瀬って…こんなに背中大きかったか?)
そんな事を思っていたからか…俺はいつの間にか黄瀬の背中に触れていた。
「な…なんスか!?////椿っち?」
「……え?あ…////ち、違うんだ!これは…///」
誰もいない4階で二人して照れ合う。な、なんか気まずい…
「…誰もいないっスから…」
すると黄瀬はズイッと顔を近づけてきた。また、あの時の目をしてる。
「な…なんだ…黄瀬////顔が…近い…///」
「そんなに積極的な椿っち見ると…襲いたくなるっスよ」
「え…////」
顎に黄瀬の綺麗な指が添えられる。そしてグッと上を向けられる。
「なっ////」
「このまま…キスしてもいいんスよ?」
「あ…え…だ、ダメだっ////」
「ふーん…なんでダメなんスか?」
「誰かが来たら…それにバンド仲間の紹介が…/////」
「バンド仲間なら大丈夫っスよ、ここは4階っスし…誰もこない」
「だからって…/////」