第2章 黄瀬涼太による恋愛指南?!
「あのな…別に心配なんて…」
「素直じゃないっスねえ~椿っち」
呆れたように黄瀬はため息をつく。そんな話をしているうちに学校についていたらしく、帝光中の名が書かれた門を潜る。転校してきて2日目。今日は何が起きるのやら…
「見て見てっ黄瀬君と氷童さんが一緒に登校してるわ」
「やっぱり、絵になるわよねえ~イケメン二人」
「やだー氷童さんは女の子じゃない」
「でも、イケメンの男子にしか見えないのよー」
「それは分かるわ!もう、かっこ良くて死にそうっ」
朝練に来ていた女子生徒に黄瀬と登校してるところを目撃された。なんだか、恥ずかしいな…しかも、イケメンの男子にしか見えないとか…
「はあ…」
「どうしたんスか?椿っち?」
「つくづく自分の顔を呪いたいね…ったく…」
「なんでそんな事言うんすかー綺麗な顔なのにー」
「…綺麗な顔だと言えるお前の神経が知れないな」
幸い、黄瀬と手を繋いでいるところは目撃されておらず、無事、体育館に着いた。
「あれ~?きーちゃんに氷童ちんじゃないー!おはよー!」
「桃井っち、おはよーっス!」
「おはよう」
体育館から出てきた桃井に会って朝の挨拶を済ませる。
「氷童ちん、また来てくれたんだー嬉しいなー」
「無理矢理、黄瀬が連れてきただけだ」
「そのわりには早起きだったスけどね?」
「おい!余計な事言うな!!」
ゴツンと黄瀬の頭を強く小突く。
「痛いっスよー椿っちー…女の子は暴力振るっちゃダメなんスよー」
「…あーはいはい、わかった」
女の子だからと言われるとつい何も出来なくなってしまう。黄瀬は俺の弱いところを何度となくついてくるから厄介だ。