第2章 黄瀬涼太による恋愛指南?!
「仲いいねえ~二人とも!まるで恋人みたーい」
クスクスと笑いながら茶化す桃井。実際、偽りの恋人同士なんで否定できない。桃井って意外に鋭いとこついてくるな…
「恋人っスよ~」
「え?本当なの?」
「嘘じゃないっスよーあ、他の女子には内緒っスよー」
「ふふふっ了解でーす!」
ふざけたように桃井は敬礼の真似をする。そのまま、ニコニコしながら、立ち去って行った。俺…何も言い返せなかった。
「(おいっ、桃井にバラす必要あったのかよ?)」
黄瀬に顔を近付けて小声で喋る。
「(大丈夫っスよ、桃井っちは口硬いっスから)」
「(そうゆう問題じゃあねーんだよ…)」
「(じゃあ、どうゆう問題なんすか?)」
「(うっ…もういいや…)」
顔を離して、手も離そうとしたが…離れない…?
「あの…黄瀬君?いい加減に手を離してもらえないか?」
「いやっス」
「子供かよ…」
ギュウと手を握ってくる黄瀬。な…なんでそんな捨てられた仔犬みたいな顔して俺を見るんだよー
「…わかったからそんな顔すんな…////」
「話分かってるっスねえ~」
うわー…あの顔に騙された…詐欺師だな、こいつ。