第7章 番外編2 ーバカでも風邪は引くらしいー
「わかった!そんなに食うのが嫌なら俺が食べて美味しいって言ってやる!」
意気込みを黄瀬にぶつけ、お粥をすくって口に運ぶ。一口、パクリと食べる。口に広がるのは微かに香る柔らかい玉子の…んん!!?
(あれ?なんで??上手く作ったはずなのに…!)
だんだん、気持ち悪くなり、酸っぱいものが競り上がってくる。レンゲを茶碗に戻し、寝室を大急ぎで出る。
「やっぱり…不味かったんスね…」
トイレで全部を吐き出してから寝室に戻る。
(まさか、こんなに不味かったとは…)
「上手く出来たつもりだったんだが…」
「てか、どうやったらそうなるんスか?」
黄瀬がお粥を見て飽きれながら聞いてきた。
「わからん…」
(これじゃあ、黄瀬に食べさせられないな…)
肩を落とし、仕方なくお粥を片付け、リンゴを用意した。
「…なんか…まともなもん作れなくて悪かったな…」
俯きながら黄瀬に詫びる。すると黄瀬はポンッと俺の頭を撫でた。
「俺の為に頑張って作ってくれたんスよね?それだけで嬉しいスよ、料理はこれから上手くなればいいじゃないっスか?」
「そうだな、ありがとう」
黄瀬に励まされ、少し元気が出た。やっぱり、黄瀬といると違う。リンゴを食べ終えた黄瀬は風呂に入りたいとせがんできた。
「風呂?んー…わかった、風呂で勝手に倒れても困るから俺が体、洗ってやる」
「え?マジっスか?」
「今、エロい事、考えただろ?黄瀬…」
「考えてないっスよ」
(そんな事言いながら、顔がニヤケきってるぞ、モデルさんよ)