第7章 番外編2 ーバカでも風邪は引くらしいー
「うん、我ながら上出来だな!」
ふふんっと鼻を鳴らし、出来上がったお粥を見る。普通のお粥では栄養がないので玉子を入れて作った。それをお盆に乗せ、寝室に運んだ。
「黄瀬、お粥作ったから食べろ」
「椿っちが作ってくれたんスか?」
「まあな」
起き上がった黄瀬の前にお粥の乗ったお盆を置く。嬉しそうに微笑む黄瀬は自分でお粥が入った茶碗の蓋を開ける。
「…つ、椿っち…これ…なんスか?」
「は?お粥に決まってるだろ?」
「いやいや!これ、どうみてもお粥じゃないっスよ!!」
黄瀬が訳の分からない事を言う。全く失礼な奴だ。
(いやいや…お粥なのになんで緑色してるんスか?てか、どうやったらこうなるんスか!?なんか、変なものまで浮いてるし…)
「お粥だ!食べないなら食べなくていい!」
「え?うーん…お粥じゃなくてリンゴでいいっスよ」
「む…せっかく作ったのに食えないと言うのか?」
「いや…そうゆう訳じゃないんスよ…てか、どうみても食えそうにないっスよ?」
「食える!なら、俺が食べさせてやる!!」
せっかく作ったお粥を黄瀬は食べたくないと言う。何が嫌なのか分からないが絶対美味しいに決まっている。
(むきになってる椿っちも可愛いっスけど…流石にこれだけは…椿っちって料理、全くダメなんスね…)
黄瀬の前に置いたお盆を自分の方に引き寄せ、レンゲでお粥をすくい、黄瀬の口に運ぶが…食べてくれない。
「黄瀬!なぜ食べないんだ!」
「だって、これ、どうみても食べられないっスよ!」
「そんな事ない!」
「なら、椿っち、試しに食べてみたらどうっスか?」