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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第7章 番外編2 ーバカでも風邪は引くらしいー


しばらく呼び出し音が鳴ってからそれが途切れ、黄瀬が出た。

『もしもし?椿っち?』

「黄瀬か?今からお前の家に行くから場所教えろ」

『え…?え?椿っち?!俺の家に来るんスか?!』

「見舞いに行くんだからそうだろ」

電話の向こうで慌てたような黄瀬の声。

『そ、そうっスよね?えーっと場所は…』

黄瀬に住所と道を教えてもらい、通話を切る。学校を出て家に帰る方向に走り出す。途中、コンビニに寄り、スポーツドリンクを買って黄瀬の家に向かった。

ピンポーン

黄瀬の家(あくまで作者の想像です)のインターホンを押す。黄瀬の家はマンションの5階にあった。インターホンが鳴ってからしばらく経ったが黄瀬は出て来ない。

(?なんで出て来ないんだ?)

少し不安になりながらもまた、インターホンを押す。今度は鍵の解錠音が響いてドアが開いた。

「黄瀬、来てやった…ってうわあっ!!」

「椿っち?…わ、悪いっスね…熱くて…」

出て来たのは勿論、黄瀬なのだが、熱いらしく上半身裸だった。今にも倒れてしまいそうな黄瀬に肩を貸し、寝室に運ぶ。

「熱いな…黄瀬、薬飲んだか?」

「朝からなんにも食べてないから薬も飲んでないっス」

「なんか、食べろよ…」

飽きれながら、黄瀬の熱を計り、確認。結果は38度だった。

「全く…風呂が入りたいならちょっと待ってろ、ご飯食べてからにしろ」

「わかったっス」

黄瀬は弱々しく頷き、布団に潜る。それを確認して、俺はキッチンを貸してもらい、お粥を作る事に…。
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