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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第7章 番外編2 ーバカでも風邪は引くらしいー


黒子と話をしながら校内に入り、教室の前で別れる。

(なんか…黄瀬がいないと静かだな…)

授業を受けていてふいに思った。特に黄瀬は五月蝿い訳ではないが後ろにいつもいる黄瀬がいないと調子が出ない。

「…童!氷童!聞いてるか?」

「へ?はい?」

「ボケーとすんな?この問題の答え、言ってみ?」

「はい…えーっと…X=2です」

「うん、完璧やな」

授業も何故かボケーとする事が多かった。六時間目の授業が終わり、放課後へ。

「氷童さん、今日、元気ないのね?」

「ね?どうしたの?」

教室を出ようとした時、クラスの女子に心配そうな顔で聞かれた。

「ん?いや、なんでもない…心配させて悪いな」

「え?ううん!氷童さんが平気ならそれで…ね?」

「うんうん!氷童さん、じゃあね!」

女子達が顔を火照らせながら教室を出ていく。俺も赤司に黄瀬の事を報告する為に体育館に向かった。

「赤司」

「ん?なんだ、氷童?」

赤司が不思議な顔をして俺に振り向いた。

「今日、黄瀬が風邪で休みだってさ」

「そうか、わかった…氷童はこれから見舞いにでも行くといい」

「え?いいのかよ?」

赤司の口からそんな言葉を聞くとは思わなかった。

「別に構わない」

「ありがと、赤司!じゃあ、また」

赤司に別れの挨拶をして体育館を出る。ポケットから携帯を取り出し、黄瀬の携帯に電話をかける。
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