第7章 番外編2 ーバカでも風邪は引くらしいー
「はあ?風邪?」
『そうなんスよ…だから、皆に言っといてくれると嬉しいっス』
「わかった、安静にしてるんだぞ?」
『うん…悪いっスね…』
電話の向こうでは元気の無い黄瀬の声が聞こえる。随分と弱っているようだ。通話を切り、学校の門を潜る。
(風邪か…見舞いに行った…方がいいよな…)
朝、黄瀬から電話がかかってきたと思えば、そんな事だった。
「バカでも風邪、引くんだな…」
「誰がバカなんですか?」
「うわあっ!?黒子か…驚かせんな…」
「いや…氷童さんが先にぶつかってきたんですよ?」
「え?マジ?そりゃ、悪かった」
いきなり、話し掛けてきたのは影の薄い黒子だった。
「いえ、大丈夫です、それより、どうしたんですか?」
「ん?黄瀬が風邪引いたらしい」
「成る程」
黒子は何故か少し嬉しそうに頷いた。
「なんで嬉しそうなんだ?」
「あの五月蝿い黄瀬君がいないからですよ」
「黒子って以外に毒舌?」
「そんな事ないですよ、普通です」
(いやいや、普通じゃねーよ…黒子、こえー…)