• テキストサイズ

女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第6章 修学旅行は波乱の予感?


「…22番っス…」

「違うのか…」

「椿っちも残念だって思うんスか?」

「まあな…色々と事情ってもんもあるし…」

最後は少し言葉を濁した。出来れば、黄瀬となりなかったが仕方ない…他の奴に俺がこうゆうお化けとか幽霊嫌いだとバレたくない。

「でも、椿っちが俺とペアじゃなくて残念がってくれるのは嬉しいっス!…けどな…」

「わかったから…そうなると、俺は誰とペアだ?」

「ん~あ!緑間っち!何番スか?」

黄瀬が丁度、隣を横切った緑間に声をかけた。緑間はめんどくさそうに振り返り、口を開いた。

「10番なのだよ」

「「え?」」

俺と黄瀬は同時に同じ声を出した。見事に綺麗にハモった。

「10番だと言っているだろう…見事にハモると逆にイラつくな」

緑間は眉間に深くシワを作った。

(え?まさか…俺、緑間とペア?)

「まさかだ…」

「なにがだ?」

「俺、緑間とペアだ…」

「…はあ?」

やはり、緑間も聞き返してきた。別に番号が同じなのだから、可笑しな事はなに1つない。だが…

((ペアがあまりにも意外すぎる…!))

と、緑間と心の声がシンクロ。

「…し、仕方ないな…」

「緑間っち!言葉と行動が合ってないっスよ!!」

仕方ないと言いつつ、顔は少し嬉しそうにしながら俺の手を引いて列に並びに行く。

「緑間っち!椿っちに何かしたら許さないっスからね!!」

「ふんっそんな気は起こさない」

眼鏡のブリッチを上げて宣言する。心配だな…しかもよりによって、ペアが緑間なんて…襲われる事は心配しなくてもいいだろう…だが、お化けや幽霊が苦手なのがバレるのはイヤだ…

(弱みを握られる感じがして…)

列に並び、前のペアが森の中に入った。次のペアが入るのはその10分後だ。
/ 131ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp