第6章 修学旅行は波乱の予感?
「…22番っス…」
「違うのか…」
「椿っちも残念だって思うんスか?」
「まあな…色々と事情ってもんもあるし…」
最後は少し言葉を濁した。出来れば、黄瀬となりなかったが仕方ない…他の奴に俺がこうゆうお化けとか幽霊嫌いだとバレたくない。
「でも、椿っちが俺とペアじゃなくて残念がってくれるのは嬉しいっス!…けどな…」
「わかったから…そうなると、俺は誰とペアだ?」
「ん~あ!緑間っち!何番スか?」
黄瀬が丁度、隣を横切った緑間に声をかけた。緑間はめんどくさそうに振り返り、口を開いた。
「10番なのだよ」
「「え?」」
俺と黄瀬は同時に同じ声を出した。見事に綺麗にハモった。
「10番だと言っているだろう…見事にハモると逆にイラつくな」
緑間は眉間に深くシワを作った。
(え?まさか…俺、緑間とペア?)
「まさかだ…」
「なにがだ?」
「俺、緑間とペアだ…」
「…はあ?」
やはり、緑間も聞き返してきた。別に番号が同じなのだから、可笑しな事はなに1つない。だが…
((ペアがあまりにも意外すぎる…!))
と、緑間と心の声がシンクロ。
「…し、仕方ないな…」
「緑間っち!言葉と行動が合ってないっスよ!!」
仕方ないと言いつつ、顔は少し嬉しそうにしながら俺の手を引いて列に並びに行く。
「緑間っち!椿っちに何かしたら許さないっスからね!!」
「ふんっそんな気は起こさない」
眼鏡のブリッチを上げて宣言する。心配だな…しかもよりによって、ペアが緑間なんて…襲われる事は心配しなくてもいいだろう…だが、お化けや幽霊が苦手なのがバレるのはイヤだ…
(弱みを握られる感じがして…)
列に並び、前のペアが森の中に入った。次のペアが入るのはその10分後だ。