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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第6章 修学旅行は波乱の予感?


風呂から上がり、脱衣室で支給されていた浴衣を羽織る。その後、全員が何故か、また、食事をした大広間に集められた。

「えー、皆に集まってもらったのは他でもない…」

そこで司会をしている生徒会長は一旦、口をつぐみ、一呼吸おいてから口を開いた。

「肝だめしをする為なんだ!」

はあ?!ちょっと待て…今、肝だめしって言ったか?待て待て…えぇええ~!!!

「先生からも承諾を得ている、1組から順番にこの箱の中に入っている紙を取ってもらい、同じ、番号の人とペアになるんだ!今回は男女分けてある」

ご丁寧にどうも…生徒会長さん。回りの女子達がなんか、一気にテンション下がったな…まあ、どうでもいいか。1組から順番に紙を取っていく。俺の番が来たのでとりあえず、引く前に…

「生徒会長」

「ん?なんだ?氷童?」

「これって不参加ってアリ?」

「ナシだよ、皆、強制参加だから」

「は、はーい」

仕方なく箱から紙を一枚引き、その場から離れる。そして、ペラリと二つ折りにされた紙を開く。紙には『10』の番号。

(俺は10番の奴とペアだな)

「全員、引き終えたら、玄関を出て東にある森の入り口に集合してくれ!」

引き終えた人達はみな、ゾロゾロと玄関に向かい、靴を履いて東の森に歩いて行く。

「氷童ちん!何番?」

「ん?10番」

後から来た桃井が何番か聞いてきたので紙を見せる。桃井は30番らしい。

「テツくんと一緒ならいいなあ~」

「だといいな?」

「氷童ちんはきーちゃんとがいいの?」

「まあ…出来れば…な」

「やっぱり、そうだよねえ~その方がいいよね~」

桃井は何故か染々と言った感じで言った。

(あーイヤだ…肝だめしなんてやるもんじゃねーよ…)

表では平気な顔をしているが俺は…本当はお化けとか幽霊は苦手なんだ…

「よーし!皆、いるな?じゃあ、紙に書いてある番号順にこの森に入って一番、奥にある祠に行って番号の書かれた紙を置いてきて戻ってくる事!それじゃあ、一番から!」

生徒会長が妙ににこやかに出発の合図を言う。

(さてと…俺のペアは…)

「あ!椿っち!」

「ん?黄瀬か、なんだ?」

「椿っち、何番スか?」

「10番だが?お前は?」
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