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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第6章 修学旅行は波乱の予感?


「どこまでしらをきるつもりだ?」

「椿っち!なんで俺だけなんスか!?青峰っちとか紫原っちは…」

「この二人がどうかしたか?」

椿っちは二人がいる方を指差した。って、えぇええっ!!!な、なんか、凄い事になってるんスけど!!青峰っちと紫原っちは椿っちにフルボッコにされたのか力無く床に伏せていた。

「あいつらはもう、お仕置き済みだ」

「え…あーそのー…椿っち?男の子にはよくある事っスよ!」

「歯食いしばれぇえええ!!!」

スッパーン

グーではなかったもののパーで平手打ちをされた。まあ、罰が当たったんだろうと思いたいが…痛いっス…

「はあ…これでよし!」

「よ、よくないっスよ」

《椿side》

黄瀬が平手打ちをされた所を押さえて涙目になっていた。流石にちょっとやり過ぎた…みたいだな…

「女の子が暴力しちゃダメなんスよ~!」

「うっ…ちょっとやり過ぎた…」

「え?」

「わ、悪かったな」

プイッと黄瀬から視線を外し、小声で言った。

「ちゃんと謝れるじゃないっスか、椿っち」

「おい…いつ、俺が謝れない子供になった?」

なんか、メチャクチャ、微笑ましい顔で見てくんだけど…

「だって、いつも、俺が謝ってたじゃないっスか」

「ん…まあ、確かに…」

「だからっスよ」

確かに俺から謝ったことなかったな…そんな風に改めて認識させられ…じゃねーよ!そもそも、やってきたのは全部、黄瀬じゃんかよ!!それを言おうと思ったが今、丸く収まっているこの状況を悪化させる訳にはいかず、口をつぐむ。

「とりあえず、黄瀬達はちゃんとそこの壁、直しとけよ?」

「分かってるっスよ!」

黄瀬は元気に立ち上がり、皆して壁の修復作業に入った。なんなんだ…この疲れる修学旅行は…
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