第6章 修学旅行は波乱の予感?
「青峰っちだけズルいっスよ!」
「そうですよ!」
二人して紫原っちを揺さぶり、青峰っちを降ろそうした瞬間…。
「おいっ!あぶなっ!…え?うわぁあああ!!」
青峰っちと紫原っちが竹の壁を破壊して倒れた。それに俺達も巻き込まれて四人全員、女湯の湯槽に放り投げられた。
ザッパーン
派手な水飛沫を上げてお湯を被る。きゃーきゃーと女子達が逃げて行く声が聞こえる。
「ぷはっ!なにやってるんスか!青峰っち!」
「それはこっちの台詞だっての!!お前らが揺らすからだろ!?」
口論が始まり、グチグチと言い争っていると…
「…なにやってんだ?お前ら…?」
上から物凄い低い声が聞こえた。ビクリと体を震わせて後ろを振り返れば…そこには…。
「椿っち…」
きっちり、バスタオルを巻いた椿っちが仁王立ちで腕組みをして立っていた。その顔はもはや、般若そのものだ。
「椿っち!これは違うんス!!別に覗こうとか考えてた訳じゃなく…」
「じゃあ、どうしたら、こうなるんだ?」
「えーっと…そのー…」
椿っちから顔を反らし、言い訳を考える。てか、なんで俺だけ説教受けてるんスか?青峰っちとか紫原っちとかは?
「やっぱり、覗こうとしてたんだな」
「ち、違っ!!」