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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第6章 修学旅行は波乱の予感?


「あーあ、俺にも黒子っちみたいにミスディレクションが使えたらな~」

「真っ先に覗きに使うんですね?」

「椿っち限定っスけど」

「あ!あった!!」

「なにがあったんスか?青峰っち」

青峰っちが竹で出来た壁をジーッと見つめていた。

「…覗き穴」

ニヤリと笑って答える。

「マジっスか!ちょっと俺にも見せて欲しいっス!」

「おらっ押すな!」

「次、僕にも見せて下さい」

青峰っちと俺と黒子っちで穴を順番に覗き見る。…だが、湯気があまりにも濃くよく見えない。

「良く見えないっスね~」

「そうですね」

「なにしてんの?皆して~」

「紫原か」

青峰っちが突然、現れた紫原っちに事情を説明した後、なにか閃いたのかポンッと手を打った。

「紫原、ちょっとそこにしゃがんでくれよ」

「ん~?こう?」

紫原っちは言われるがままにそこにしゃがみ込んだ。青峰っちはしゃがんだ紫原っちの肩に乗った。紫原っちもやっとなんの事か理解して青峰っちを肩車した。

「これなら上から見れる!」

「うわあ…高いっスね」

「このお礼は氷ちんの〇〇〇〇がいいなあ~」

「紫原君、それはいくらなんでも…」

「紫原っち!!流石にそれは表示出来ないっスよ!!」

「え~ダメなの?」

「ダメっスよ!俺がさせないっスよ!!」

紫原っちの思いもよらない発言に一瞬、立ちくらみがしそうになったがどうにか押さえて青峰っちに聞く。

「青峰っち、見えるっスか?」

「おぉー!見える!!やべー!」

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