第6章 修学旅行は波乱の予感?
「お風呂~」
「お風呂ですね~」
「…お風呂だな」
桃井と瑞穂はウキウキ気分で温泉の脱衣室の暖簾を潜る。
「どうしたの?氷童ちん?」
「いや…なんでもない」
何故か胸騒ぎがして仕方がない。また、なにか起こりそうな気がする…適当な棚に着替えとバスタオルを入れ、早々、服を脱ぎ、風呂に入る。
「あ!氷童ちん、早いよ~」
「早く来い」
風呂場には何人か入っている人がいた。俺達が入ってきたのに気がついたのか俺達を見る。…だが。
「氷童さん…」
「氷童さんの生の肌…!」
「うそ…!やだ…」
「綺麗な肌…」
「もう…ダメ…見てらんない」
そこにいた女子達は顔を真っ赤にして俺から目を反らした。え?なに?俺、なんか、した?
「もう、忘れたの?氷童ちん」
「え?なにが?」
「椿ちゃんは女の子にも人気って事を」
「あ…」
今更のように思い出した。毎日、黄瀬といるせいかだんだんと忘れていたこの状況。いいのか、悪いのか…
「はあ…とりあえず、入ろう」
「そうだね!お風呂、お風呂~」