第6章 修学旅行は波乱の予感?
「椿っち…なんでYシャツのボタン、全部、外れてるんスか?…もしかして!!」
「そのもしかしてはない!!」
「即答!!」
ガーンと一時的なショックを受けた後、すぐに立ち直り、今までの事を話した。
「え?!マジっスか!」
「マジだよ」
「止めるの大変だったんですからね?」
「氷童が止めていなかったら今頃、俺が黄瀬の首を切っていたところだぞ?」
「なんでいつも赤司っちは物騒な事言うんスか!」
ジャキジャキと恐ろしい早さでハサミを鳴らしている。その場にいた全員が背筋を凍らす。
「…とりあえず、夕飯、食べに行こう…拉致が開かね」
「そうだね~お腹空いたし~」
紫原はグゥ~と鳴るお腹を擦る。
「そうだな、では行くか」
赤司が立ち上がり、それに続いて皆も立つ。俺もYシャツのボタンを閉めてネクタイを締める。身だしなみを整えてから黄瀬を見る。
「黄瀬、行くぞ」
「あ、そうっスね」
黄瀬も立ち上がり、部屋を後にする。今日の夕飯はすき焼きだった。昼間、行動した班と同じ机で食べる事になっている。…のだが…
「あ!青峰っち!それ、俺の肉っスよ!」
「知らねーよ!」
「黒子!横取りするのはよくないのだよ!」
「横取りなんてそんな卑怯な事してないですよ、緑間君がいつまでも食べないからですよ」
「静かに食べられないのか…?皆は」
肉の争奪戦だ。俺は黄瀬の隣で良く火の通った野菜達を食べている。到底、肉は手を出せず、一口も口に出来ずに夕飯は終了した。解散の後は入浴タイム。…男子にとっては絶好のチャンスだ。