第3章 入部
十邪「何してんの?」
由女『十邪…』
十邪がそう言ってスマホを除き込んで笑ってきた。
由女『ちょっ!何で笑うのよ!』
十邪「ここ間違ってるし」
由女『えぇ!どこ?』
十邪「此処だよ。」
由女『あ、ホントだ。
…て、近いよ。十邪…』
十邪「ん?」
十邪は由女の肩に顎を乗せるようにして除き込んでいた。
十邪「何、お前ドキドキしてんの?」
由女『別にしてないし。』
十邪「ふ~ん…
じゃあ、これは…?」
由女『ひゃっ!!』
十邪は由女の耳元で低く囁き、耳朶を少し噛んだ。
由女『あ、あんた!何してんのよ!?』
十邪「別に。ってかそんなんで声出すとか、お前感じやすいの?」
そう言って十邪は意地悪に笑った。