第9章 十邪の気持ち
ー由女sideー
由女『……よし! お弁当出来た!』
私はいつも通り、お弁当を作り、お母さんの朝食を作って自分も朝食を食べた後、家を出た。
靴を履いて小さく『いってきます』と言って玄関の扉を開けると、そこには以外にも輝の姿があった。
いつもならまだ寝てて、私がお越しにいくところなのに…
輝「……俺だってたまには早起きくらいするし…」
驚いて固まっていると、輝が少しムッとした表情を見せた。
その顔に、ドキッとする。
輝の事が好きだと気づいてから、やたらと輝が格好よく見える。
小さい頃からいつも一緒に居て、家族も瞭然だと思っていたのに…
もしかしたら、本当は心の何処かで『好き』って、気づいていたのかもしれない。
輝「お~い、由女さーん。」
輝に顔の前で手を降られ、ハッと我にかえる。
由女『ご、ごめんごめん! あ、朝練遅れちゃうから早く行こう…!』
輝「お、おぅ…」
私達は少し急ぎ足で学校に向かった。