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Blue Moon☆うたのプリンスさま♪

第4章 見えない壁。


黙り込んでいる私に、
美風さんは淡々と話し始める。

「当初、僕に感情ってものはなかった。その概念とかは最初から埋め込まれてたから、僕はその通りの表情を作り出してきた。空っぽの感情しかなかった。」

私は空を見つめたまま
その話しに耳を傾ける。

「でも、僕は君と関わるうちに少しずつだけど、感情ってものを理解し、手に入れた。…でもね、僕にはまだ複雑すぎて…エラーが出てしまっているんだって博士が言ってた。」

「エラー…?」

私は美風さんをじっと見つめ返す。

「体にこの間のような不調が起こるんだ。」

私は先日あった事をふっと思い出す。

「柚子。僕はおそらく、人間の感情で言う"好き"という感情を君にたいしてもっている。」

美風さんは柔らかく笑った。

「これは確かに僕の意思。僕の心なんだ。…これから言うのは僕のわがままかもしれない…だから…無理だったら…聞いてくれなくていいだ。」

そういうと美風さんはすぅっと深呼吸をした。

「僕と…これからも…一緒に居てほしいんだ。」

心に空いた穴が
一気にふさがるような

そんな気持ちだった。


美風藍はロボットで、
感情なんてなかった…。


でも、

私と関わるうちに、
感情を少しだけど手にいれて、

私を好きになってくれた。

どうして、疑ってしまったのだろう。
どうして、不安になんてなってしまったんだろう。


私は美風藍を抱きしめた。
強く強く。

離してしまわないように。






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