第4章 見えない壁。
「明日は20時まで仕事だったよね?」
「はい。」
「じゃぁ、21時にスタジオ集合で大丈夫?」
「…はい。」
そうして、
その日は別れた。
心の中で
非現実的だとは思いつつ
少しだけ予想はついていた。
でも、
私の予想が正しければ…
美風さんと私が結ばれる事は
きっと不可能。
でも、彼の事がもっと知りたくて。
美風藍との待ち合わせの時間には
あっという間になった。
スタジオを訪ねると、
美風藍がドアを開けた。
「お待たせしました。」
私がそういうと、
美風藍はニコっと笑った。
「よし。出かけよう。」
美風さんは私の手を握ると
ゆっくりと歩き始めた。
「どこへ行くんですか?」
「ん?秘密だよ。」
そう言って意地悪に笑う美風さんは
相変わらずキレイだった。