第4章 見えない壁。
冷やしたタオルを美風さんのオデコに当てると、
ジュッと鳴って、湯気があがった。
「…へ!!!???」
恐る恐る、
彼のオデコに手で触れてみる。
「熱っ!!!」
彼のオデコは
目玉焼きでも焼けそうなぐらい
熱くなっていた。
「…ど、どうしよう…。」
混乱と恐怖から涙が流れた。
でも、泣いていても仕方ないので、
とりえあず、美風さんを冷やす事にした。
相変わらず、
美風藍は動かなかった。
このまま死んでしまったらどうしよう…
そう思うと怖くてたまらなくて…
私はずっと泣きながら、
彼の名を呼んで、
彼を冷やし続けた。
しばらくすると、
来栖さんと四ノ宮さんと七海さんと知らない男性が来た。
三人に"博士"と呼ばれるその男性は
美風さんの体に触れると、
眉をひそめた。
そして、何か機械をいじると、
美風さんの体から人間の音とは思えないような
機械音が鳴り響いた。
しばらくすると、
美風さんを抱き上げると、
スタジオから出て行った。
私はその様子を呆然と眺めていた。