第19章 甘えん坊さん
キスをすると魔法にかかったように
相葉さんはあたしの膝の上で
スヤスヤと眠っていった。
フワフワな茶髪の髪の毛を
少し触ってるとコンコンと
マスターが入ってきた。
『あ、すいません』
〈大丈夫ですよ。
コーヒーをお持ちしました。〉
優しい少しシワのよった
マスターが香ばしい香りのする
コーヒーを持ってきてくれた。
『あの…ここって部屋によって
デザインが違うんですか?』
〈いえいえ…ここは
特別なお客さまだけが入れるんですよ。
この世に一つだけの部屋です。
妻がデザインしましてね。〉
その時、相葉さんが今日
初めてきたことを知った。
まさかとは思ったけど…
きっと誰かに聞いてくれたんだよね。
あたしのために…
そう寝顔がかわいい彼に
心のなかで呟いた。
『ぁの…特別というと…』
〈ははは…嵐様でいうと
二宮様や櫻井様でしょうか。
ここに来ると安心すると
言ってますよ、いつも…〉
二宮さんと櫻井さんも…
お二人ともやっぱり日頃
神経使ってるんだろうな。
きっと今ぐっすり寝てる相葉さんにも
ぐっすり眠ってしまう
理由があるわけで…
〈では、ごゆっくり〉
『あ、はい。』
ガララー…という音と共に
相葉さんが急にあたしの腰に
手を回してきた。