第33章 記念日
『痛っ…』
倉庫の鍵の音がして、
二人で出ていこうとしたとき
あたしの足首に激痛が走った。
「どうしたの?」
その様子に気づいたのか
雅紀があたしの体を支えた。
『いや、たぶん転けたときに
足も捻ったみたいで…』
「歩ける?」
『うん、大丈夫……痛っ!』
大丈夫と思って歩こうとしたけど
やっぱり痛んで雅紀に寄りかかった。
「…叫ばないでね?」
『え?』
その瞬間、あたしの体は浮かんで
いつのまにか雅紀にお姫様だっこを
されていた。
『ちょっ…え…雅紀っ!?』
「ふふん♪記念日ですから、お姫様♪
さぁ…雅紀くんのお持ち帰りでーす」
ガララー…
『ちょっと~!下ろしてー!』
「嫌だ~!」
そう言いながら、医務室の方へ
雅紀はあたしを連れていった。
こんな記念日…初めてだわ!笑