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泣き虫な二人

第28章 ぬくもり


稲葉さんは大野さんに会釈して
その場から離れていった。


「あらら…相葉ちゃん、泣かせたの?」


なんて言いながら、
あたしの横に座る大野さん


『そんなはずないです…っ…』


「じゃあ、その涙は
自分に対する涙なんだ…」


『…っ…はい…』


大野さんは分かってるよ。って
言ってるみたいにあたしの頭を
撫でてくれた。

罪をおかしたのにあたしはズルい。
だって…これを求めてたんだもん。
こうやって大丈夫だよって言われるのを…



『あたし…相葉さんと…っ…
いろんなことしたかったんです。
デートだってまだ一回しかしてないし…
楽しませてあげたっかたし…笑顔にしたいし…

本当に…っ…でも…傷つけてしまった…』



「それは誰かが言ったの?」


『え?』


大野さんの言葉に一瞬
流れていた涙が止まりそうになった。



「これはさ、思っちゃだめなんだと
思うんだけどね?

誰かが傷ついたってちゃんに
そんなこと言った?」


言ってない。だけど…



「ちゃんと話しなよ。
後悔しちゃうよ?
また自分を責めるの?」


『…っ…』


「本当、相葉ちゃんとそっくり
きっとね、相葉ちゃんも
今頃、自分を責めてんの。
だから…会ったら抱きしめてあげて?」


そう言う大野さんの目は
あまりにも優しくてホッとした。


「愛が強すぎたんだよ。
ただ、それだけ…」
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