第21章 大輝くんの登場
そんなことは現実にはなく
こんな堂々と国民的アイドルが
来るわけないっつーの!
受け付けには黒いジャケットを着て
身長が高い黒髪のイケメンくんがいた。
だれ?
こんなイケメンがあたしになに?
『ぁ…ぁのぉ~…』
「…、久しぶり」
その顔には面影あって…
笑う姿はまったく変わらない…
『だ…大輝くんっ!!』
「声でけぇよ…うっせなぁ…」
なんて耳を塞いでるけど
ちょっと嬉しそうな大輝くん
『な…なんでここに…』
あたしの実家は静岡であり、
大輝くんは隣の家の次男で
高校の後輩。
「俺こっちに上京したの」
『…はっ!?じゃあ…まさか…』
「東大ですけど」
この子…やれば出来ると思ってたけど
まじか…東大か…
『で…ででで!
あたしに会いにここまで?!』
「……別に通りかかったていうか
母さんが挨拶してこいって…」
『そっかぁ…嬉しいなぁ…』
「あ…あと…」プルルルル~
大輝くんが話してる途中に
仕事用の電話が鳴った。
『あ、ちょっと待ってね?』
「いいよ、俺行くわ…じゃあ」