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るろうに剣心【東京編】

第16章 るろうに剣心【東京編】 最終話




その夜
私は、緋村さんたちと食事をしている時
質問を投げかけた

『左之助さんの好きな人ってわかりますか?』

三人とも、驚いた顔をして私を見る
そして深いため息を吐いた
あ、昼間の時と同じ反応
なぜ彼らが溜息を吐くのかわからない
ムッとしてしまう

「あんなにわかりやすいのに……。左之助がかわいそうだわ」
「まぁ、真愛殿のことを考えるとそういう経験が少ないというのもあるかもしれないでござるな」
「でもよー、俺でもわかったんだぜ。あんなわかりやすい態度で気づかないのは真愛だけだよ」
『……知ってるなら教えてくださいよ。私だけ仲間外れなんて悲しいです』

口をとがらせて拗ねた口調で言えば、三人は困ったように笑う

「知ってるわよ。でも私たちの口からは言えないから、直接本人に聞きなさいよ」
『恥ずかしいから薫さん達に聞いてるのに。薫さんのいじわる……』
「何か言った、真愛?」
『なんでもない……』

にこりと微笑む薫さんの背後に禍々しいオーラを感じて口を閉じる
怖かった
本当に薫さんに逆らえないな、私

「真愛殿はどうなんでござるか?」
『え?』
「好きな人、いるでござるか?」

私の正面に座って夕飯を食べている緋村さんと必然と目が合う
真剣な瞳に私は逃げることができない
でもここで「あなたが好き」なんて言えない
どうすればいいかわからず、あたふたと意味のないジェスチャーをしてしまう

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