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るろうに剣心【東京編】

第10章 動く理由




その場から逃げようとしたが、相楽さんに腕を捕まれ、逃げることができない
男と女の力の差なんて歴然で、解こうとするが叶わない

『は、離してください。相楽さん』
「なぁ。ずっと気になってたんだけどよ、その“相楽”てやめねぇか?隊長のこと思い出す」

隊長……?
昔、彼が入隊していた隊の……
そういえば、亡くなったんだよね
………

『―――じ、じゃあなんて呼べば……』
「佐之助」
『わ、わかりました。名前で呼べばいいんですね。わかりましたので、は、離してください……』
「わかったなら呼べよ、俺の名前」

この人、Sだ
私の赤い顔を見て、楽しんでる
私は、ますます赤くなる顔を隠すため下を見る

「呼んでくれねェの?」
『さ、佐之助……さん』
「俺の方見て言えよ」

訂正します
この人、ドSだ
私は、早くここから逃げ出したくて
もう片方の腕で顔を隠して、彼の名を呼ぶが
彼はそれすら許してくれない

完全に真っ赤な顔を見られた
なに、この羞恥プレイ
私は、唇を噛みしめた

『左之…助さん』
「ま、今日はこれくらいでいいか」

満足したのか、彼は私の腕を離す
私は、すぐに腕で顔を隠し、その部屋を後にした

そして自分の部屋へと閉じこもる

心臓……うるさい
男性にああいう風にされたことないから、どう対処すればいいのかわからない
だから、こんなに心臓がドキドキしてるんだ
そうに違いない



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