第6章 喧嘩
そして彼らの喧嘩に決着がついた
勝ったのは緋村さん
立つのがやっとの相楽さんだけど、それでも彼は言う
“まだ終わってない。俺は倒れていないから負けてない”と
それに対して緋村さんは素手で彼を殴った
「喧嘩の相手が違うのではござらんか。赤報隊がお主に教えたのは、維新志士を倒すことか、それとも維新を達成することか」
相楽さんは言った
“四民平等とぬかしながら欲に溺れ、ふんぞり返るてめえが言うな”と
負けじと薫さんも反論する
「剣心は、そんな維新志士じゃないわ!官憲の栄職なんて目もくれないで剣で自由に人を守り続ける流浪人よ!」
薫さんの言うとおりだ
相楽さんがどんな過去を持って維新志士を毛嫌いしているかは知らないけど
緋村さんは、少なくとも相楽さんが思っているような維新志士では決してないと思う
最後に非村さんは言った
まだ維新は終わっていない
十年前、維新は成立し新時代明治となったが、幸せを必要とする人々は、弱者が虐げられる古い時代の中に未だいる
自分はそういう人達の力になりたい、と
「一年後になるか十年後になるか、それとも永遠に維新の終わりは来ぬままかわからぬが、そうするコトが明治維新の犠牲になった人々の償いになると思っている。
人斬り抜刀斉が切り殺した人たちへの償いになると思っている…でござるよ」
その言葉を聞いて、相楽さんは地面に倒れた
「弥彦、医者を!」
「おう!!」
倒れている相楽さんはどこか嬉しそうに笑っていた