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隻眼男と白兎

第23章 アニメ化もだいぶ経っちゃいましたけどね



「マツイ棒でも付けとけ」

土方さんの腕に実にフィットしたマツイ棒だった。

「なんでマツイ棒ゥウウ⁉︎」

「いやぁ、こうしておけば…

襖や障子、冊子の溝もあっという間にピカピカに。

ガス台の裏側やシンクの隅っこには重曹をつけてピカピカに。

手の届きにくいところにも簡単に掃除できるようになって、
前より便利になってるからバレないだろ」

『掃除しか使い道ねぇじゃねぇかァアア!!』

ちくしょう。
思わず土方さんがマヨネーズ柄のエプロンをして柄にもなく楽しそうに掃除しているところを想像しちゃったじゃねぇか。

「そもそもの手が無いんじゃ、手が届きにくいところにとか言ってる意味がわかんねぇよ!!」

「うっし、時計進めろ、神楽っ」

私と新八くんのツッコミはことごとく無視して、銀さんが神楽ちゃんを促す。


カチッ

***

「土方さん、ソレ何ですかィ?」

「あァ、電池式で動く…」

ガシャン、シャキーン!

「超電動マツイ棒RXだ」

「電池マツイ棒に組み込まれたァア!!」

土方さんの腕には、先程銀さんが付けたマツイ棒の面影は何処へやら、
見事にロボットの腕のように変形したマツイ棒がそこにあった。

最早“超電動マツイ棒RX”ってアニメ風に書かれたゴロまで見えてきたよ⁉︎

あ、目擦ったら見えなくなったよ⁉︎⁉︎


「どーなってんだ⁉︎なんで手が取れてもなお電池握りしめてんだ!なんでマツイ棒が進化してんだ!!」

全くだよ銀さん!
どうして電池が握られているはずの腕はここにあるのに、なんでまたふりだしに戻ってんだよォオオ⁉︎⁉︎


「で、それ便利なんですかィ?」

「あァ。マヨネーズを一瞬で全て搾り出すパワーを持つ」

二人の動きはここで止まっている。
(※会話はあくまでも想像です!)

「進化どころか劣化してるよ!これじゃかえって電池が取り戻し辛くなっただけだよ!どーすんの⁉︎⁉︎」

新八くんのツッコミの混じえた問いかけにさすがの銀さんももうタジタジだ。

逃げるように視線を動かして、

何かに気付いた。

「⁉︎オイ!あの塀の向こうから覗き込んでるの…」

「エリザベスさん?」

二人が向けた視線の先には、《桂さん見てください隣でUFOが事故ってますよ》と書かれた看板を持った白いペンギンのような生物、エリザベスが空地の塀から顔を覗かせていた。
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