第4章 身だしなみチェックは良い女の秘訣である
「チサ。ちょっとコッチきて」
ちょいちょいとまた子ちゃんに手招きされる。
「で、ここ座って?」
指さされたのはまた子ちゃんの目の前。
『ここ?』
また子ちゃんを目の前に座ると、また子ちゃんがさっと後ろへ回り込んだ。
は、速いっ!!!
そして、
カチッ。
嫌な音がする。
ブオォォオオオオオ
『ひぎゃあああああ!』
全力で暴れる私を全力で捕まえるまた子ちゃん。
「コラ、暴れるなっス!せっかくのウサギちゃんヘアが寝癖でボサボサっスよ!」
…ウサギちゃん?
それより私はドライヤーなるものが嫌い。
だって音大っきいじゃんあれ。
耳元でうるさいじゃんあれ。
だから私は断固自然乾燥派を唱えている。
『ドライヤーは嫌いィイイ!』
「子供みたいなコトいってるんじゃないのっ!」
『お母さんンンンー!!』
数分後私の髪は、寝癖ぴょんぴょんボサボサヘアーからサラサラふわふわキューティクルヘアーにビフォーアフターでふ。
「ほら!綺麗になった!チサ髪綺麗なんスからこれからはちゃんとドライヤーするんスよ!」
えーやだードライヤー嫌いー
って顔してたら物凄い剣幕で
「わかったスか?」
『サーイエッサー』
また子ちゃんが時計を見やる。
見ればもう6時30をまわっていた。
「じゃあ私はもう行くっス!
チサはどーするスか?」
私はんーっと考える。
どうせもう寝れないし。
『私は暇だし、船内ぷらぷらお散歩でもしてるよ』
朝の一服にも行きたいし…w
「そっか!じゃあ8時ぐらいに昨日案内した食堂に来るっス!その頃には会議も終わるし、朝ごはんの時間っス!」
わーい!朝ごはん!
昨日の夕飯は質素だけど美味しかったし期待大である!
「じゃあ後でっス!」
『うん!』
さて!私も行動開始だ!
とりあえず向かうは甲板。
今日も今日とていい天気。
朝日が登りかけていた。
私がいた世界では今冬だったが、
この世界の気温から察するに季節は変わりないらしい。
ぶるっと身震いする。
ノースリーブにはちと寒すぎるが
子供は風の子元気の子(21歳)
元気にラジオ体操(うろ覚え)したら体も暖まったので一服タイム。
コレで片手にコーヒーなどあれば完璧!
次からコーヒー持参しよ。