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隻眼男と白兎

第20章 やべぇ!宿題やってねぇ!って気付くのはだいたい始業式前日


それを沖田くんが上げ、近藤さんがトスを上げる。

そして空中に高く上がったボールを土方さんの殺人的スパイクが繰り出される。

それを何とかまた子ちゃんが返し、トスを上げ、高杉さんがスパイクを決めようと高く跳ぶ。

高杉さんのその綺麗なフォームに私やまた子ちゃんはもちろん、通行人ですら目が釘付けになる。

すかさずブロックしようと土方さんが高く跳ぶが、

「甘ェな」

そう言って見事にスパイクを決めた。

勝敗は我が鬼海隊の勝利だ!


皆が歓声をあげる中私は、

『我が生涯に一片の悔いなしィイイイ!』

盛大に鼻血を砂浜へとぶち撒けた。


その後、
ビーチフラッグ
また子「取ったどぉおお!」
勝者 鬼海隊

スイカ割り
沖「死ねェ!土方ァア!」土「なんでだ!」
勝者 新海組

勝負は鬼海隊が優勢を保っている。

今は何故か海にまで来て相撲勝負をしているようだ。


ビーチバレーで盛大に鼻血を出した私はというと、

浮き輪に座ってぷかぷかと海を漂いながら見学している。

遠目から見てないとまた鼻血出そうだからね!


しかしこうして海を漂っていると眠くなる。

私は皆を見ながらもウトウトし始める。

そして

頭半分寝ていた私は後ろから迫り来る高波に気付かなくて、


『⁉︎⁉︎』

気付いた時には浮き輪から離され海の中へと沈んでいた。


私!泳げない!!

手を必死にバタバタ動かすものの、当たり前に身体はどんどん沈んでいく。

あぁ、もうダメだ。
息が。。


縋り付くように地上へと手を伸ばすがそれは水を切る。


朦朧とする意識の中で、不意に唇に柔らかい感触がし、

肺が空気で満たされた。


そして、


ザバァ


私は誰かに抱き抱えられ水中へと顔を出した。

肺いっぱいに酸素を取り入れ、やっと息が吸えた私に徐々に視力が戻ってくる。

私は高杉さんに抱き抱えられていた。

『た、高杉さん…試合は…?』

「そんなの抜けてきたに決まってるだろ」

高杉さんは眉をひそめながら私をまっすぐに見て言う。

『…ごめん…なさい…』

「何が?」

『迷惑かけて…試合も抜けて来させちゃったし…鼻血出すし…』

私がまだ朦朧とする頭で途絶え途絶えにそう力なく言うと、高杉さんはため息をついて言った。
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