第20章 やべぇ!宿題やってねぇ!って気付くのはだいたい始業式前日
『何言ってるんですか高杉さん!族も攘夷もそんな大差ないじゃないですか!』
「大丈夫だ。ここの族は礼儀正しいで有名だからな。警察だってそう簡単には捕まえないはずだ」
礼儀正しい族ってそれ族なの⁉︎
「それに、奴らは勘違いをしている。
こう言った方が変に否定するより楽だ」
「オイ鬼海隊!」
突然沖田くんに呼ばれ私達はヒソヒソ話しを止め振り返ると、
「実は俺たちもここら辺では名のある新海組なんでさァ。俺たち新海組とテメェら鬼海隊、どっちがこの海を仕切るのに相応しいか勝負をしねぇかィ?」
突然の沖田くんの意味不明な申し出に私達はポカンとし、一方でマヨラーこと土方さんが沖田くんを嗜める。
…いや、お前ら新選組ィイイイ!!
私は再度高杉さんを引っ張って耳打ちする。
『どーすんですか!余計面倒臭い事になってんじゃないですか!』
しかし高杉さんは何食わぬ顔で、
「いいだろう。その申し出受けよう」
『ファッ⁉︎⁉︎』
私は驚き、土方さんは呆れ果て、近藤さんと沖田くんはどこか楽しそうに目を輝かせている。
『バレたらどうすんですか⁉︎⁉︎馬鹿なんですか⁉︎』
「馬鹿じゃねェよ。
面白そうだから」
『この考えなし!!』
「あ?」
高杉さんが私の頭を鷲掴みにして力を込める。
『うぎゃああああ』
正しいの私だよね⁉︎正論だよね⁉︎
なのに何なのこの仕打ち⁉︎⁉︎
「オイ、お前ェら!!」
高杉さんが相変わらず私の頭を締め付けながら叫ぶと、鬼兵隊の面々が次々と集まってくる。
円陣を組み、三馬鹿に聞こえないように高杉さんはこの経緯を説明した。
「かくかくしかじかでこいつらと競う事になった。
お前ェら、負けんじゃねェぞ!」
一同「うおおおおおお」
いや、うおおおおじゃないでしょ⁉︎
なんで皆ノリノリなの⁉︎
このノリについて行けてないの私だけなの⁉︎
こうして、私達鬼兵隊(今は鬼海隊)は新選組(今は新海隊)と仲良く競い合う事となったのでした。