第13章 Stay, My Darlin'!!(影山飛雄)※
なまえさんは上目遣いに俺を見ながら、足の親指を咥えた。唇で挟み込むようにして、何度も口内から出し入れする。じゅぷ、と唾液の音がする。その一連の動作が、すごいエロくて、なまえさんにフェラしてもらったら絶対気持ちいいのに、と考えた。考えて、息が荒くなって、頭がぼうっとした。
気持ちいいわけじゃない。俺の知ってる中で、俺の身体で触れてて気持ちいい場所は一箇所しかない。なのに、今すごく興奮してるのはなんでなんだ。こんなの知らない。俺が知ってるのは、キスして、胸を触って、あといろいろやって突っ込むだけ。こんなの、知らない。
「飛雄、涎でてるよ」
なまえさんに指摘されて、はっとして口元を拭う。
俺、いまぜってー変な顔してる!
近くに転がっていた枕を掴んで顔を隠した。
「何、してんの」
「咥えたままっ喋んな、」
「他に隠す場所あるんじゃないの」
こんなおっきくしちゃってさー、と暗闇の向こうから聞こえた。恥ずかしくなって今度は自分の股間に枕を押し付けた。
顔から火が出そうだった。