第13章 Stay, My Darlin'!!(影山飛雄)※
男が女から、舐めてあげようか、と言われたら、何を?なんて聞かないよな。
だって聞かなくてもわかるよな?
俺はベッドに腰掛けたまま、床に座るなまえさんを見下ろした。この先の展開にすごく期待していたのに、なまえさんは予想に反して俺の右足を両手で持った。そしてその小指をパクリと咥えたので、頭の中は大パニックになった。
「え、え、何してんスか」
俺は意味がわからず咄嗟に脚を引っ込めようとする。けれどなまえさんは手を離してくれない。
「ちょ、え、あ、舐めるって、足、なんですか」
「何だと思ったの?」
「フェラかとっ思ったんスけど」
そう正直に言うと、なまえさんは「そんなわけないじゃない」と言ってこんどは隣の薬指に舌を這わせた。
そんなわけないじゃない、だとよ!
「なまえさ、くすぐったい」
やめてください、と言うとなまえさんは足の指を咥えたまま、ふぁ、と声を出した。その振動が足の指から下腹部に伝わって、ぁ、と声が漏れた。
赤い舌が指の間に侵入する。ぬるっとした感触に攻め立てられる。上から見ていて、心臓がバクバクと鳴った。
足を舐めるという行為は、主従関係とか、そういう時にするイメージがある。下僕が、主人にするみたいな。あれは足じゃなくて靴か?じゃあ、じゃあ、なんでなまえさんは俺の足なんか舐めてるんだ?
足の裏を舌でなぞられる。敏感な部分がくすぐられて、足がぴくん、ぴくんと勝手に跳ねた。
「ぅあっ、ちょ、」
自分でもびっくりするぐらい甘い声が出て、思わず両手で口を抑える。