第35章 時は過ぎゆきて(菅原孝支)後編
あとがき
こんにちは。作者のだまです。
演劇の技法で『劇中劇』というものがあります。これは劇の中で別の劇をする、という演出で、物語や小説の場合『作中作』とも呼ばれたりします。
今回のお話は、それと似たようなことをしたいな、と思ったところから始まりました。
ハイキューの誰かにお芝居させたい……演劇と言えば文化祭……文化祭といえば女装か。スガだな(←即決)
そして初めて『エピローグから書く』という暴挙に出たお話でもあります。このハッピーなエンドに辿り着くために40ページ書き綴りました。24歳の菅原が6年前の劇のお話をするというややこしさ。
私はお芝居をする側の人間ではないので、見聞きした情報だけを元に書いています。そのため知識の抜けも多いと思うのでなまえさんがすげー自信たっぷりに言ったりしてますが100%は信用しないでください。
ここから補足に入ります。
南条の保冷剤を使った”願掛け”について。
歌舞伎の有名な芸談なのですが、ある女形の役者さんが、出番の直前まで手を氷水で冷やしていた、というお話があります。こうすると本番中、男役の相手が手を握ったときに、あまりの冷たさに愛しさがこみ上げて思わずぎゅっと固く握りしめてしまうんだとか。
というわけでこの話を小耳に挟んだ南条はですね、文化祭実行委員として考えたわけですよ。我ら3年4組のグランプリダブル受賞を狙うためには何が必要か。そうだ。台本は雨の日の夜という設定なのだから、スガの手を冷やそう、と。そしてその手を握ったみょうじが胸キュンして理性をぶっ飛ばせばいいんじゃないか、と。くぅー!粋なことをなさるお方だ!!
アイツだけはきっと確信犯なんでしょうね。菅原がなまえさんにキスされて皆が「はああぁあ!?」ってなってても、1人だけニヤニヤしてて後で「悪い、見とれて幕降ろすの忘れてたわ」って言うんでしょうね。ステキ!
さて、最後になりましたが、更新中に拍手や感想をくれた方々。本当にありがとうございました。私だけ楽しんでて読者の皆さんを置き去りにしていないかとても不安だったので、すごく嬉しかったです。
これからもだまワールド全開で好き勝手に執筆を続けていきますので、拙い文章ですがどうか引き続きお付き合いください。
ありがとうございました。
だま