第27章 グータッチでご挨拶(澤村大地)※
次の日、澤村の様子に変化があった。菅原に何を言われたらそうなるのだろうか。いつものどっしり構えてる姿とは違って、なんていうか、すごくそわそわしてる。
私は菅原の助言通り、あまり隣を見ないように努めた。それでも昨日より目が合う回数が増えた。
目が合って、明らかに動揺されて、逸らされて。しばらくして彼を見るとまた目が合って。
気まずそうに咳払いをしたのは菅原だった。後ろから聞こえるわざとらしいそれを合図に、私と澤村は前を向く。黒板なんて見てなにが楽しいものか。そんなものより、隣の席の好きな人を見ていたほうがよっぽど有意義な時間を過ごせるのに。
朝から頑張って授業を聞いていたが、昨日まで聞いていなかった内容が今日になっていきなり理解できるわけもなし。お昼を過ぎた辺りから限界が見え始め、本日最後の授業である6時間目。
私はとうとう睡魔に負けて眠ってしまった。