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【ハイキュー!!】青春直下の恋模様【短編集】

第20章 みんなで遊園地(烏野逆ハー)午後の部


「「「はあああぁぁぁ!?」」」


全員が一斉に叫んだ。


「ああああの、なまえさ、それ、マジすか!?」
柄にもなく影山が狼狽えている。

違う!となまえは右手のパンダを掲げて弁明した。「これはノーカンでしょう!」

「ノーカンってどういうことだ!?ほっぺか?デコちゅーか!?」

なまえの意図が伝わらなかったらしく、西谷が日向の肩を掴んだ。「唇ですうぅぅ!」と半べそをかく日向に、「違う違う違う!日向、純情すぎ!」と叫ぶ。

「なまえ、お前なぁ」
状況をなんとなく理解した菅原が茶化した。「いくらなんでも、後輩の純情もてあそんじゃあ駄目だろ」

「スガまでそーゆー事言う!?あ、旭、昼間の恩返しして!私の無実を晴らして!」

「なまえ……ごめん」

「嘘でしょ!?旭ぃ!」

「なまえさん!男のファーストキスがどれだけ大事かわかってんスか!?」

「西谷はちょっと黙って!」



「うわああぁぁぁん!」
突然駆け出した日向に、「待って!」と言ったが聞いてくれなかった。

「戻ってきて日向!私に濡れ衣着せる気!?おい日向!ひなたー!!」


なまえが日向を追いかけた。

走り出した彼女を、残されたメンバーは黙って眺めていた。やがて、あのう、と遠慮がちな声があがる。

「日向の次、俺なんですけど...」

山口である。彼は困ったように眉尻を下げて、どうしたらいいですかね、と大地に意見を求めた。

「うーん、そうだなぁ」
大地も慣れた様子でやんわりと部員に指示を下した。「とりあえず、みんなであのスタミナお化けをなんとかしようか」

なまえだけでは日向を捕まえることなどできそうもない。かといって、日向が疲れるまで待っていたらいつになるのかわからない上にどこまでいくのか見当がつかない。


かくして、午後の遊園地を舞台にした大捕り物が幕を開けたのである。



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