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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《2》

第46章 彼女の努力




名前が消えてしまったことを確認した桃井は「名字ちゃ、」と髪を揺らして体育館の床に力なくへたり込んだ

その目からは涙がボロボロと止めることなく落ちており、赤司は声をかけたそうにしていたが行動には移さなかった



黄瀬
「名字っちの悪い冗談ッスよね?
またどうせ笑いながら俺のこと犬とか言って出てきて…今なら許すから、許してあげるッスから、早く出てこいよ!」


紫原
「黄瀬ちん、爪の跡ついちゃうよ」


黄瀬
「…どうでもいいッス」


青峰
「赤司!何で止めなかったんだよ!」


赤司
「…俺もそれが出来たら止めていたさ」


緑間
「青峰、赤司に言っても無駄なのだよ」


青峰
「緑間は辛くねーのかよ!」


黒子
「青峰くん、察しましょうよ、みんな大切な人が居なくなったら辛いハズです」


青峰
「っ、」


緑間
「…辛くないわけ、ないのだよ」



黄瀬は力強く拳を握りしめて、彼をなだめる紫原は余裕の無いしゃべり方をしていた

青峰は黄瀬と同じ行動を、何かを誤魔化すように眼鏡のグリップを中指であげる緑間の目は少々赤くなっており、黒子は目尻に涙を浮かべていた

そんな彼らの様子を見た赤司は「…とりあえず、外へ出るぞ」と、全員無言で外へ歩き出し、赤司はその最後尾を歩いていた

ふと振り向くと彼が名前がへたり込んでいる姿が見えた気がしたのか、「名字」と彼女の名前を呼んでも誰も居なかった



黒子
「赤司くん?」


赤司
「ああ、すまない」



赤司は右手にあった名字からもらったリボンを握りしめ、外へ出たと同時に彼の頬に涙が伝った

そして彼は「また会う日まで、待ち続けよう」とポツリ呟いて、体育館のドアを閉めた





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