第44章 倒そう
よって誠凛の反撃となったが赤司は戻りが遅く、葉山が「カメか!」と本気で思っていると伊月から日向にパスが回され、彼はレイアップシュートを決めた
すると点差は縮み、赤司の行動に葉山はイラついていたが、黒子は赤司の背中をジッと見つめていた
木吉
「黒子、まさか赤司の心配をしてるんじゃないだろうな、もしそうなら間違ってるぞ」
黒子
「…いいえ、そんな余裕はないですから」
その後、赤司のパスを火神がカットし、黒子に回してから彼が加速するパスでゴール付近にボールを送ると火神はアリウープを決めた
結果、点差はついに2点差までとなり、1ゴール差となった
しかし洛山にとってはピンチで、根武谷は思わず赤司の胸ぐらをつかんだ
根武谷
「っざけんな!んだ今の小学生でもとれるたりーパスはよ!!
ここにきてんな体たらくが通用するとで思ってんのか!?いい加減にしろよ赤司テメー!!」
彼らの悪い雰囲気に洛山はT.Oをとり、彼らはベンチに向かった
その中で黛は、息を吐いてから不満げに赤司を見ていた
一方誠凛ベンチに戻ろうとしていた黒子も赤司のことを心配そうに見ていたが、黙ってベンチに戻った
白金
「(事が起こった今でも信じられん…赤司とはここまでもろい選手だったのか…!?いや…原因はわかってる
ただ点差が縮まっただけであれば動じることなどまずない
赤司がゆらぐ原因となったのは誠凛の火神と黒子、あの2人に勝ちを決定づける切り札を破られたことだ
その多大な精神ダメージと、代償として起きたチームの不協和音、このままでは…)」
そう思った白金が赤司に選手交代を言おうとした時、黛が「ちょっと待ってください」と言って彼の前に立った
「無様だな、慰めたり励ましたりするとでも思ったか?
しねぇよそんなこと、俺は聖人じゃねぇし。ただ気に入らなかったから文句言いたかっただけだ。
あんだけ偉そうなこと言っといて、お前こんなもんか。俺にはそうは思えないんだけどな
屋上で初めて会った時とは別人だ。…つーか、誰だお前」
この時黛の言葉はただ思ったことが口に出ただけであり、決して赤司について深く知った上でのものではなかった
だが結果、きっかけとなったのはその言葉だった