第44章 倒そう
相田
「わかってるわね火神くん、赤司くんとはここまでもずっと戦ってきてるけどもう動きを封じるとかそういう話じゃないわ
ここからは勝つか負けるか、正真正銘のガチンコ勝負よ。勝てぇ火神!!」
火神
「おお!!」
その頃、観客席では今吉が青峰の先程の「ゾーンが深くなってやがる」との発言が気になったらしく、彼にそれがいったいどういうことなのか問いかけていた
青峰
「…これからすんのはあくまでイメージの話だ。プレイ中はプレイのことしか頭にねぇ
ゾーンに入る前、でかい扉があってそれを開ける。開けると水の中にいて、集中力が増すほど深く沈んでいく
そのまま沈んでいくと底につく、それがゾーンに本当に入りに入りきった状態。自分の性能を余さずすべて引き出せる
だが…そこにはもう1つさらにでかい扉があって、その扉の前には顔の見えない誰かが立っている。門番のように」
桃井
「…え?」
桜井
「じゃあその扉を開けたら…!?」
若松
「つーか誰かって誰だよ!」
青峰
「知らねーよ。顔わかんねーんだから」
今吉
「青峰の中のイメージの話や、誰かいるとしたら青峰自身
門番だとしたら自分自身の何か打ち勝てばその扉が開く。そう考えるのが自然やろな」
青峰
「…さあな。俺が行ったことがあるのは水の底まで、その扉を開けたことはねぇ。だが確信はある。その扉の先にはゾーンを超えたゾーン
火神が赤司に勝つ可能性があるとすれば、今言った第2の扉を開けることだ」
コートでは赤司がいつも守っている位置よりも前で守っており、劉が「火神同様DF範囲もケタ違いに広い、他の4人も合わせて…」と呟いていると、紫原が「いや…」とそれを否定した
紫原
「あんだけの失態の連続、赤ちんはもう周りに何も期待してないと思うよ~?」
氷室
「なっ…(OFはそうかもと思っていたが…まさか…DFも1人で…!?)」
赤司がDFのために集中力を増し目を見開くと大体の守備範囲は分かり、彼らは悪寒で戦慄した
伊月
「(ウソだろ!?この悪寒…まさか…この位置でもう赤司の守備範囲に入っちまってるのか!?)」
次の瞬間、赤司は伊月のボールをスティールしてから一気に攻め、目の前に来た火神にアンクルブレイクを決めた