第44章 倒そう

洛山ボールとなったことで動き出そうとした根武谷に木吉も動き出すと伊月は「ここでやるのか！」と驚き、日向は「そりゃ断る理由なんてねぇぜ！」と言って「おし！」と気合を入れ直した



木吉
「３連続ぽっちで満足するな！勝つためにはまだ全然足りんぞ！」


根武谷
「なっ…これは…オールコートマンツーマン…いや、S･A･M･Dか！」


葉山
「（つうかヤバイっしょこのDFマジで…！！赤司ほどはっきりイメージはできないけど…ゾーンに入った火神のDF範囲を考えると黒子に捕まらないパスコースなんたほぼない！！）」



黒子の特性を生かすべくできたそのDF陣形によってボールはまたも奪われ、木吉対根武谷のC対決がやってきた



根武谷
「（この力…！！その上さっきは足に負担のでかいスピンも…木吉テメェ…足のケガがどうなってもいいってのかよ！？だが…！）」


若松
「止まった…！木吉がすべてを賭けても…根武谷の力には勝てないのか…！？」


今吉
「勝てなくてええんや、全く敵わんようじゃ勝負以前やが…競えるだけの力があればこそ駆け引きが生きる」



木吉はそこでダンクを決め、ついに点差が10点にまで縮まりベンチは喜んでいた

そんな中、赤司は「実渕…次の攻撃だけお前たち四人で攻めろ」と静かに言い、疑問に思った「え…？ちょっ…征ちゃん、それってどういうこと」と聞こうとすると、彼は冷たい眼で実渕のことを見ていた

ビクッと目を見開いた実渕を放置した赤司は一気に最前線にいる葉山にパスを出し、自陣のゴール下から動かなかった



青峰
「（あのやろう…まさか＿）」


実渕
「（征ちゃんのあの眼はあの時と同じ…）」



そして話は先程話した赤司がゾーンを自ら入った話に戻る



赤司
「そしてもう１つ…これは忠告だ。この状態になるためにはトリガーが人それぞれあり、僕にとってのそれは勝利を人を動かすことによってではなく自分が動くことによって必ずもぎ取るという意味だ

つまり僕が己の力のみで戦うと決めた時、お前たちに失望し、見限った時だ」



その時と同じ目をしている赤司は火神が流星のダンクを決めようとしている状態から一気に差を詰め、ボールを奪った



伊月
「ウソ…だろ…」


黒子
「赤司くん…」


赤司
「身分の違いを教えてやろう、この場にいる者すべてに」