第44章 倒そう
根武谷
「いってーな!!何すんだ小太郎コラ…」
葉山
「あんまり頭に血昇ると足すくわれんぞ、俺と同じでカッとなりやすいんだから気をつけろよ
木吉は強ぇー。そもそもケガがなけりゃ少し前まで俺らと同格だった奴だぞ、間違ってもナメんなよ
要は永ちゃんとこのマッチアップが元々1ばん実力に差がねーんだんな」
根武谷
「…チッ、っせーな、わかってるっつーんだよんなこたぁ」
試合再開時、赤司はまずスローインで黛にボールを回してから自身に戻させた
黛
「(…にしても赤司は何も言わないな。攻めが第3Qの終わりからずっと実渕・葉山・根武谷の1対1偏重なのも気にかかる。いくら司令塔でも赤司自身が攻めに消極的すぎる。それとも…これも何かの策なのか…!?
…いや違う…!?今コイツの前では赤司ですら…そうせざるをえないのか…!?)」
赤司の前にいる火神はどんどんと凄みが増して来ており、黛はそれを見かねてか火神の視界の中に入って赤司のパスの手助けをした
彼のパス相手は実渕で、今回何度目か分からいSG対決となっていた
実渕
「(日向順平…コイツは危険だわ。アタシのシュートに3種を見分けて反応してくる。ならばその中でもたとえわかっていても止められない…「虚空」で勝負…したい所だけど、4Fにもかかわらず第4Q頭から出てきたと言うことは「虚空」に対しても何か掴んでいるのかもしれない
3P以外で勝負かボールを回すか…いいえ、だからこそ勝負!!シューターとして「天」「地」にも自信と自負はある。けどアタシにとってその2つ以上に「虚空」へのそれは別格なのよ
そして洛山の選手としても引くわけにはいかない。アタシの矜持全てを賭けて「虚空」を撃つ!!)」
日向
「(…あー背中いって…まだジンジンする。リコあいつあんな力強かったかね?…ってんなわけねーか、きっとそんだけこめたんだろう。あいつだけじゃなくチーム全員分の想いを
おかげで背中が熱くてしょーがねーこの熱さをすべて力に変えて「虚空」を止める!!)」
2人の様子を観察していた氷室はふと気がついたのか「…そうか!わかったぞ…!!あのシュートのDFがブロックに跳べなくなる秘密が…!!」と声をあげた
それはどうやら「跳ぶ直前に踏む込む深さ」らしく、氷室は説明を始めた